前回読んだ「ヒストリア」ほど大きな話ではなかったかな。
わたしはこの作品が、沖縄に真正面から取り組むザ・沖縄の話になるのではないかと
予想していたよ。タイトルもそれっぽかったし。
読んでみたらそこまでではなかったかね。でも面白かった。
しっかり者でたくましいおばあが死んで、軍用地地主としての5億円の遺産が
三姉妹のなかで宝を見つけた者に残されるという話。その宝さがしゲーム。
相変わらず三姉妹のキャラクターが極彩色。オキナワン・マジックリアリズム。
20年前ならそれだけの話になっただろうが、オトナになった池上は、
沖縄基地問題、歴史的琉球の地理状況、尖閣諸島問題を、そんなにがっつりでもなく
搦めていく。話はあくまでエンタメ。しかし沖縄の人である池上が軽くにせよ
触れていくそれらの話題は傾聴するに足る。
まあハチャメチャだけどね。話はね。
なのであんまりシリアスなものを期待されても困るが。
そしてこれはファンタジーなので、魚釣島についての描写というか内容は
フィクションです。今さら言うまでもないかもしれないが。
2020年のこの本が小説としては池上永一の最新刊。
そんなちゃちゃっと書ける作風でもないから、3年に1冊のペースに不満はない。
だが課題図書リストの最後に回しちゃうので、池上永一を次に読むのは、
8年後くらいになりそうですね。
それまで3作品くらいは上梓してて欲しいなあ。その他にエッセイの1冊くらい。
良い執筆生活をお祈りいたします。

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